NBonline(日経ビジネス),2009.7.23 号に、常磐文克氏が「モノづくりのメタボ化から脱却せよ」の中で、これまでのような「量」を追求するモノづくりから「質」を追求するモノづくりへの転換を提言されています。
最近の携帯電話のように、物珍しい機能を詰め込んだだけの製品は、質を追求したものではなく、「メタボ製品」であると断言しています。本当にその製品に必要なもの、本質的なものを見極め、それを進化させていくのが質を追求することだと。例としてタタモーターの「ナノ」が挙げられています。そして、今求められる新しい「質」は「グリーン社会」の実現に応えるものになるはずだとの主張です。
確かに、この不況を乗り越えようと、目先の競合や市場に目を奪われ、従来と同じような発想で出口の製品戦略をにくら練っても、新しいモノは生まれないかも知れません。
NBonline(日経ビジネス),2009.2.03 号には宮田秀明氏が「『減らすビジネス』が利益を生む」の中で、量の拡大だけの成長・進化には限界があると主張されています。例として富士ゼロックスのオフィスでの複写機台数の削減、三洋エネオスソーラー社の太陽電池への取り組みなどが挙げられ、電力会社は「電力使用量を減らすビジネス」を目指すべきだと述べています。
私自身、高度成長期のころに社会人になり、まさに「量」を追求するモノづくりをしてきました。同時に「質」も追求してきたつもりですが、今後のモノづくりを考えた場合、「たくさん売れて売上が増えればよい」だけの発想では、いわゆるサステイナブルな社会を実現できないであろうということは容易に予想できます。
サステイナブルな社会の実現には製造業だけでなく、社会全体の意識変革が必要です。かって製造業に身を置いた立場からは、容易なことではないことがよく分かりますが、ぜひそのような方向に向かって欲しいと願っています。